11月1日 一ツ橋講堂で日本ベンチャー学会・スタンフォード大学・東京大学産学連携本部連携によるシンポジウム「起業家精神(アントレプレナーシップ)こそが日本を変える」というイベントが開催され、参加してきました。 オーストラリアのビザ事情とは異なるトピックスではありますが、実は、私自身も、考えたら一人の「起業家」であり、そもそも、このオーストラリアビザコンサルティング事業を日本で始めようと思ったのも多くの理由があったからです。長年携わってきたオーストラリア移民法についての知識は非常に価値のあるものであり、また、実務経験を積むことにより、これらの職務経験を民間の立場で役立たせることにより、日本のよい人材やよい企業など、オーストラリアに進出するプロセスをスムーズにすることができれば、多大な経済効果になり、そして、そのようなサービスがまだ日本では極少であるというところから、始まった気持ちです。
現在の「アントレプレナー」というとやはりIT関係の方が圧倒的であり、また脚光を浴びることも多いですが、そのような中でも、私自身も気持ちは同じように志を持ち、社会に少しでも自分のしてきた経験を活かしたいと思ったのがきっかけです。 レクチャーは米国ルース大使の基調講演から始まり、現在の日本のベンチャーキャピタルについての現状、そして、起業家を育てる教育にわたり、非常に活発な議論が交わされました。
ルース大使はご存じのように、もともとシリコンバレーの弁護士であったことから、多くのベンチャー企業を支援してきた経験をお持ちであり、その感覚はやはり一般的な政府外交官とは異なるセンスをお持ちです。グーグルや、YouTubeなど、この土壌文化で育っていった企業、そして、日本でも楽天市場、ソフトバンクを例にあげ、日本は保守的といわれながらもこれらの素晴らしい企業が育っているという点を評価していました。 そして、また、パネルディスカッションで興味深い内容だったのは、なぜ日本は起業家がそだちにくいのか。というポイントです。これはよくいわれるポイントですが、今回パネラーは全員留学し、MBA経験者、そして、大学教授であっても、かつて、コンサルティングファームや、起業した人など、民間も経験している方たちが多く、その考え方は非常にダイナミックであり、日本の構造を変えようとしているその意気込みが強く感じられました。 1人の方が分析するに、日本はかつて高度成長のために多くの優秀な技術者を必要とし、彼らが安定して就労できる環境を備えるためにも、終身雇用制度にし、研究施設や環境を備え、そして、十分な報酬を得られるよう、万全の環境をそなえた。そのために、人々は大企業で、こつこつと研究を重ね、成果を企業内で、伸ばしていく、いわゆるNo Risk Middle Returnという会社構造をつくった。ゆえに、皆、会社を辞めて起業する、というメンタリティーからは程遠い環境になった、、、というわけである。確かに、日本は大企業文化、そして、系列文化、もともと、連帯意識も強い国民でもあり、人と異なることがわりにできにくい環境なのかもしれない。そういう面で、もっと破壊をおこしていかなければ、起業はうまれない・・・でも、生まれやすい環境を作ることも重要・・・といろいろ論議は続きました。
今回はスタンフォード・東大・一橋大が連携したイベントだったため、この3大学のカルチャーが適度に紹介されましたが、面白かったのは、スタンフォードとコロンビア大学生の感覚の違い。 コロンビア大学生にアントレプレナーシップ精神をうえつけようとしても、彼らにとっての目標はウォールストリートであり、投資銀行での就職。そんな彼らにとってはあまり役に立たない考え方・・・とまでいう。何を隠そう私も一瞬投資銀行に身を置いた立場柄、この視点は非常に興味深く、痛感しました。
大企業にいるとこの世界はある意味、まったく異なる世界です。 私自身は、ご縁があり、事業とは別にボランティアとしてMIT Enterpreneurship Forum of Japan という組織にて活動をしています。 社会のためにしくみをつくることや事業を始めることによって活性化することに支援していきたいという気持ちは皆熱く、非常に活動自身も充実しています。皆さん、ベンチャーの人のみならず、大企業に勤務している方も共に活動を共有しており、こうした仲間から、また新しいスピリットを頂くことも自分の仕事をみつめなおすよい機会になっております。
今日はこのようなこともふまえて、とても充実したよいシンポジウムでした。