世界の富裕層が最も流入しているドバイにこのたび会議参加やパートナー企業の訪問をかねて長期間滞在しました。2回目の訪問でしたが、日本にはまだ伝わりにくい雰囲気もあると感じ、今回コラムとして紹介できればと思います。
<ドバイ>
国の95%以上が外国籍というある意味アンバランスな国の構成ですが、外国人は労働者から富裕層まで幅広く、特に富裕層の流入がめざましいことはメディアでも多く聞いていると思います。世界情勢の不安定さからこの流入スピードが加速したことは間違いなく、特にコロナ禍に唯一開いていたUAEは万博以降、ウクライナ紛争によるロシア人の急増、最近はイギリス人、そしてドイツ人などEUが多くを占めていることが特徴的であり、圧倒的にアジア人がまだまだ少ない環境です。また、多くのアフリカ人富裕層も居住しているのを体感し、日本ではまったく想像のつかないような光景が広がりまさに人種のるつぼという雰囲気です。日本人も年々微増で4700名ほど在住。他国に比較してもビザの取りやすさと不動産投資のメリット、そして何よりも税制優遇は大きなモチベーションになっていることは間違いありません。ドバイも高度人材誘致に旺盛であり、ライフスタイルに必要なあらゆるエンタメ施設や教育環境、そして富裕層むけのみならずモールのレストランなどでも非常に手厚く、細やかなサービスを感じました。英語が掃除をしている人にも通じる点は素晴らしく、外国人が住みやすい環境がそろっていることは肌で感じました。
ドバイ在の同業者であるオーストラリアMigration agentにもお会いし、実際のライフスタイルやビジネスについて伺えた事、そして大手投資移住専門コンサルティング企業パートナーにもお会いし、ドバイをとりまく事情やドバイ以外でもこの最近の各国からの富裕層の動きについても多く情報交換をし、中東世界からみるグローバルの動きには非常に興味深い内容でした。彼自身ももともとシンガポール在だった方ですが、世界中へ渡航を検討した上でもドバイに移住し、どの国へもフライトがしやすい環境という点で優位性があると強調していました。会議参加で日本人起業家には多く会い、不動産ビジネスやコンサルティングを中心として多くの日本人が移住してきていることも肌で感じ、ドバイでの類似ビジネスによる競争激化している印象です。
滞在中パートナー企業である大手現地不動産会社に訪問し、企業について、ドバイについて、不動産視察など多く学びもありました。大半が「建築計画(off plan)」での投資となるため、現状は全く何もない砂漠に近い平地をみながら「ここに数年後には駅ができタワーもできます」という計画のもとにかなりのチャレンジではありますが、具体的な都市計画を伺い、数年後を妄想した上で検討するという世界のため、投資家の決断次第というところです。不動産に関しては国がまだ新しく、政府主導で開発が始まった経緯もあり、大手企業が政府系であることも特徴的で、国を動かしていく上で、具体的な都市計画実践を肌で感じました。

一方、最近の大きな問題は交通渋滞で、2年前に訪問した時と全く状況が変わっており驚きました。人口急増と乱立するビル群、富裕層はまず車で移動の為、これらの問題解決が急務と感じました。文化面として、滞在中にドバイ歌劇場でハンガリー国立バレエ団による「白鳥の湖」鑑賞しましたが、超満員でマチネでも大変ドレスアップしたロシア系白人、EUにEmiratiも多くいらしており、本当にMultinational で不思議な空気を感じました。
<アブダビ>
日帰りではありましたが、不動産視察かねてアブダビ訪問をしました。
現地開発会社Alder Properties社により視察をさせていただきました。
アブダビはUAEの首都ですがドバイよりも日本人にはまだまだ認知度が低い場所となっています。実際、Alderが海外むけ不動産投資誘致として本格始動したのは2019年でしたが、コロナの影響もあり、実質は2023年が元年といえるようです。1/3がEmirati、1/3 がアブダビへくるExpat、1/3が海外からの投資家という割合で不動産販売しているようです。Alder は実質UAE最大の不動産会社で上場企業になります。潤沢なオイルマネーがアブダビにあり、この背景からアブダビ不動産開発はほぼこの企業で統括されているということで、ドバイのEmmarのような存在でしたが圧倒的余裕を感じます。
現場に訪問して一番驚いたのは本当に美しい白浜のビーチやリゾート地とビジネス街などエリアを分けており、島ごとに開発して自然を保護している点でした。また、ディズニーランドがこれから建設予定であること、すでに、現時点でも6つのワールドクラスの施設(チームラボ(日本)、ルーブル美術館(フランス)、グッゲンハイム美術館(アメリカ)、国立博物館や3つの宗教が1つの場所に隣接する施設など)の建設も進んでおり、1つの都市に信じられないほどの文化施設やエンターテインメント施設を誘致し、国の潤沢な資金力とパワーを感じました。不動産はドバイよりも安価とおもっていたのですがまったく逆で、さらなるLuxuryの世界であり、超富裕層誘致にターゲットをしている印象でした。マンダリンオリエンタルホテルレジンデンスも建築中で世界中の富裕層が購入済ということです。また1つ驚いた事はAlderのあらたなプロジェクトでオーストラリア シドニー在日本人建築家Koichi Takada氏のデザインを採用し、あらたなレジデンスを建設するということです。アブダビで「和」を取り入れるべくオーストラリア在日本人建築家の名前を伺い大変光栄に感じました。日本人にはまだまだしらない世界が多すぎると感じましたが、多くのインターナショナルスクールもそろうアブダビには世界中から富裕層が移住してきているということでした。帰りにSheikh Zayed Grand Mosqueを駆け足で観光しました。どこまでも真っ白で美しいモスクと内装はモダンなライトでかなり新しい印象でした。
スケールが2都市ともずば抜けており、日本人にはなかなか想像しがたい現実がたくさんありましたが、特に若い人は一度は見ておく価値はあると思います。日本にいるだけではまずまったく想定できない急発展の国の勢いやこの多国籍による社会、生き方、働き方にもこうした選択がある、ということを知る上でも世界の中でどのように生活していきたいか、これは家族であってもお子様の教育をいかにグローバルな環境で育てるか、も検討余地はあると思います。
勢いある成長国と今の日本を比較するだけでも多くの事を考えさせられる状況であり、日本の閉そく感、政治や経済界における環境など、まるで違う世界に感じます。首長国だけあり、鶴の一声ですべてが動いている点もありますが、外国人が移住し、共存していくためには根本、この国はLocal (Emirati)の人脈が非常に重要で、その人脈次第で0/1になるという点が大きいと感じています。事業の成功もこの人脈は大きいと実感しました。
まだまだ新しい世界がゆえ、着実なEmiratiネットワークを構築し、日本人にも移住のオプションとしてよりよいサービス提供していきたいと思います。

English