<重要> 2022年7月1日 オーストラリア移民法 おもな法改正について

オーストラリア政府は7月1日新会計年度となり、移民法も幅広く改正が実施されました。

過去2年以上にわたりコロナによる移民政策の影響は多大であり、この背景から早急に経済回復と労働人口政策の観点からある意味永住ビザへの緩和政策も限定的に実施されました。オーストラリア政府はこれらの人口政策に迅速に対応することで、経済回復を進めていく予定です。

抜粋ではありますが、概要として以下いくつか記載いたします。

 

1.申請料金の値上げ

全般として多くのビザクラスの申請料金が値上げしました。他国に比較してもビザ申請料金が高い国ですが、年々上がっている為、申請時に新しい金額のご確認下さい

 

2.卒業生ビザ (Temporary Graduate Visa 485) – Graduate Work Stream

通常この485ビザ- Graduate Work Stream は学生ビザにてディプロマや学位取得後、中長期的職業リスト(Medium and Long-term Strategic Skills List (MLTSSL) )のうち適切な職業1つを申告し、この特定の職業で就労するためのビザが発行されますが、この申請前に、通常は「スキルアセスメント」が事前に必要であり、合格している必要があります。

しかし、2022年7月1日ー2023年6月30日までの申請についてはスキルアセスメントなしでビザ申請ができることになりました。学生の皆様にとっては朗報の措置となります。

 

3.就労ビザ(Temporary Skills Shortage visa 482) から永住ビザ(Employer Nomination Scheme186)への道 

すでに2021年11月にこの政策については発表していましたが、7月1日より実施となりました。

現状就労ビザは①短期的職業リスト(Short-term)と②中長期的職業リスト(Mid-term)とありますが、482 ビザの改正時以降、この②の職業のみ永住ビザへの道が開かれていました。しかし、過去2年あまりのコロナの状況から労働力確保の観点より、2022年7月1日より2年に限定し、以下の条件に該当する方については、①短期的職業リストのポジションでも申請時に49歳以下であれば永住申請が可能となりました。

  • 2017年4月18日に457申請済または、457ビザ保有している方
  • 2020年2月1日ー2021年12月14日に最低1年間オーストラリアに居住していた方
  • ノミネーション・ビザ全ての要件を満たしている方

*これは大変な朗報であり、該当する方については2年間限定措置になりますので、ご確認下さい

*またコロナの状況により、直接職場に勤務できなかった方も多くいらっしゃると思いますが、これらについての特別措置もありますので、詳細は186ビザのサイトをご確認下さい。

 

4.ワーキングホリデービザ (Working Holiday 417 / Work and Holiday Visa 462)

コロナにより、ワーキングホリデー入国者がストップしたことで、オーストラリア経済にも多大な労働不足を起こしたことも事実です。開国した今、まさに若い方たちの労働力は必須であり、7月1日からの新会計年度として例年よりも30%増加したビザ発行数を計画しました。

既にこの1月から様々な点で、ワーキングホリデー政策は大きく緩和され、次々と新しい試みを打ち出しています。

1)期間の制約なしに就労可能

今年度に限り2022年12月31日までは同じ雇用主で6か月以上自由にどんな業界でも就労が可能となり、制約なく就労維持が可能となります。

 

2)オーストラリア国内で無料で申請可能なワーキングホリデービザ

2022年3月から開始された「オーストラリア国内にて無料で申請可能なワーキングホリデービザ」という措置は2022年12月31日まで可能となっています。

これは、2020年3月20日時点でワーキングホリデーを保持していた方で、その後コロナの為に帰国しなければならなかった、など利用できずビザが失効している方に対しての措置であり、現時点で30歳以下で以下の条件を満たす方であれば、オーストラリアへ入国後、現地にて申請が可能となります。

発行される場合は12か月滞在可能となります。

<申請可能な要件>

・2020年3月20日にオーストラリア国内にワーキングホリデー保有者として滞在していた

・このビザ申請時に適切なビザを保有してオーストラリア国内にいること

・このビザ発行時に有効なパスポートを保有していること

・健康や人物審査要件みたしていること

・扶養家族がいないこと

 

3)オーストラリア国外で無料で申請可能なワーキングホリデービザ

2022年3月から開始された「オーストラリア国外にて無料で申請可能なワーキングホリデービザ」という措置は2022年12月31日まで可能となっています。

これは、2020年3月20日時点でワーキングホリデーを保持していた方で、その後コロナの為に帰国しなければならなかった、など利用できずビザが失効している方に対しての措置であり、現時点で30歳以下で以下の条件を満たす方であれば、オーストラリアへ入国後、現地にて申請が可能となります。

発行される場合は12か月滞在可能となります。

<申請可能な要件>

・2020年3月20日以前にワーキングホリデービザが発行されていること

・この発行されたビザが2020年3月20日ー2021年12月31日に失効してしまった方

・このビザで失効前に渡航してない方

・健康や人物審査要件みたしていること

・扶養家族がいないこと

 

=そのほか=

以下については今回の7月1日からの法改正ではなく、2022年3月にまとめて発表された内容となりますが、コロナによる法改正であり、今後、開国後の経済回復に際しポイントとなる点となります。

 

PMSOLの審査期間について Priority Migration Skilled Occupation List (PMSOL)/critical sector

入国ができなかった約2年間に、国として優先的に考慮される職業リストとしてPMSOLができました。特に入国免除措置の際に、このリストにある職業の方たちの入国が優先されましたが、開国した現在でも、ビザ審査上、特に就労ビザ(482)において、このポジションで申請するケースについては最優先事項として審査期間を迅速化する措置を継続しています。その為、日系企業赴任の皆さまも申請時にこのポジションに該当する方たちは迅速化いただくように申告することが適切です。

 

パンデミックビザ (Temporary Activity Visa 408-COVID-19 Pandemic event)

こちらは3月に既に発表された内容ですが、開国後も引き続きこのパンデミックビザは申請が可能であり、該当する業界の職務についているもしくは就労の内定を取得している方については最長12か月まで就労が可能なビザとして発行が可能となりました。オーストラリア国内においても特に労働不足とされている業界や業種になりますが、特に若い方の労働力は重要であり、政策としてまだしばらくこのビザが利用可能となります。若い方にとってはワーキングホリデーと効率よく利用すればかなり長期的にオーストラリア国内での就労が可能となります。

<対象者>

  • 2022年2月21日前にオーストラリアにて滞在していた方
  • 2022年2月21日以降に入国し、就労可能なビザを保有しているか申請時に連邦政府による高齢者サービスの仕事の内定を受けている方

<対象業界>

以下の業界での仕事のオファーを受けている場合、12か月就労可能なビザが発行されます

  • 農業
  • 食品加工業界
  • ヘルスケア
  • 高齢者サービス
  • 身障者サービス
  • チャイルドケア
  • 観光やホスピタリティ

これ以外の業界での仕事のオファーを受けている場合は、6か月の就労可能なビザが発行されます。

開国前は「自国へ帰国できない」ということが理由でこのビザ申請も可能でしたが、現在はなんらかの仕事のオファーがある方のみが対象となります。

 

上記以外にも多くのビザクラスでの改定がありましたが、具体的な内容についてはオーストラリア移民省ホームページにて最新情報をご確認ください