オーストラリア政府は7月1日から6月30日を1年として毎年永住ビザ発給数の見込み(Migration Planning Level)を発表しており、5月9日に公開となりました。ポストコロナをみすえ、2年近く入国制限されたことがきっかけで急激に人口減になることが危惧され、迅速に国の経済促進を進めるうえでも特にスキル保有者の移住者、また配偶者やお子様などオーストラリア家族として移住するビザもほぼ無制限になるなど今後の人口政策においてドライブをかけていくことが見受けられます。実質、スキル関係よりも家族関連のビザ発行予定を大きく上回る見込みとしています。
また、7月1日より、ニュージーランド国籍に関する法改正も実施予定で、ニュージーランド国籍の方が4年以上オーストラリアへ居住した場合はオーストラリア国籍への申請が直接できるようにもなり、このインパクトは今後ニュージーランドからオーストラリアへの移住を検討する大きな理由として非常に大きく、一方、ニュージーランド政府にとっては大打撃になるのではないかと思います。
これまでの停滞している人口流入を急ピッチで復活させるような印象もあり、家族やニュージーランド国籍を優先的にまずは移住者として迎える政策となり、国として人口減に対し、相当レベルの危機感として感じているのではないかと思いました。
半面、このビザ発行予定数のリストから特に減少したのが「投資家ビザ」関連です。2022年度は5000としていたものを1900と大幅に減少することになります。既に多くの審査期間の遅延が発生していますが、さらに過去の統計から投資家ビザでの移住者による経済効果というものが国が予測したほどpositive に反映していない、ということから投資家ビザよりも具体的なスキル保有者に焦点を当てる政策に方向転換していく状況です
Visa Stream | Visa Category | 2022-23 Planning levels | 2023-24 Planning levels |
---|---|---|---|
Skill | Employer Sponsored | 35,000 | 36,825 |
Skilled Independent | 32,100 | 30,375 | |
Regional | 34,000 | 32,300 | |
State/Territory Nominated | 31,000 | 30,400 | |
Business Innovation & Investment | 5,000 | 1,900 | |
Global Talent (Independent) | 5,000 | 5,000 | |
Distinguished Talent | 300 | 300 | |
Skill Total | 142,400 | 137,100 | |
Family | Partner1 | 40,500 | 40,500 |
Parent | 8,500 | 8,500 | |
Child1 | 3,000 | 3,000 | |
Other Family | 500 | 500 | |
Family Total | 52,500 | 52,500 | |
Special Eligibility | 100 | 400 | |
Total Migration Program | 195,000 | 190,000 |
1 For 2023-24, delivery of the Partner and Child visa categories are demand driven, with indicative planning levels only.
この1年でオーストラリア政府は本格的な経済復興と真剣な人口政策を進めていくことがこの発表から感じられました。