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就労ビザ(482)

就労ビザ Temporary Skill Shortage visa (subclass 482)

目的

TSSビザはいわゆる「就労ビザ」になり、海外からの駐在員、または現地法人への就職など雇用主によりスポンサーされ、就労するビザとなります。おもに3つのステップがあります。

手順:次の3つのステップになります。

1. Sponsorship (スポンサーシップ)

雇用主となる企業(法人)の経営計画や現状の審査

2. Nomination (ノミネーション)

任命される役職(ポジション)の審査

3. Visa Application (ビザ)

就労者となる方の職務経験や人物審査・同行扶養家族の審査

スポンサーの種類

A. Business In Australia (BIA)

オーストラリアにすでに会社登記があり、オーストラリア国内において過去の実績があるケース
(駐在員・現地会社雇用など)

B. Business Outside of Australia (BOA)

1) オーストラリアにまだ会社登記が存在せず、または登記のみで実質事業が開始されておらず、海外(日本)における実績をベースにオーストラリアにおけるビジネスをこれから進出することを検討。 (企業規模関係なく、企業初進出のケースなど)

2) オーストラリア法人とオーストラリア企業との契約義務遂行のために、現地で勤務が必要な場合

研修ファンドの支払いについて

2018年8月より、就労ビザのノミネーション申請時に、オーストラリア国籍および永住者が利用する研修ファンドへの支払い義務が開始されました。

寄付として、①ノミネーション申請時の職業リストに準じる年数 ②スポンサー企業の売上高に準じて、研修ファンドへの支払額が決定します。

具体例:
① Corporate General Manager (中長期的な職業リスト)として4年間派遣
② スポンサー企業売上高は1000万ドル以上

年間売上高 年間費用
1000万ドル以上 1800ドル
1000万ドル以下 1200ドル

※1800ドルx4年=7200ドルを一括で研修ファンド寄付としてノミネーション申請時に支払いが必要

労働協約 について - Labour Agreements

a) On-Hire Labour Agreement - OHLA

日本企業はほとんどまだ利用していないオプションですが、例えばプロジェクトベースのために人を現地に短期的に派遣したい場合、また現地でビジネス進出をしたいが、現地にてあえてスポンサーにならず、派遣する方法を模索する場合、このOHLAを有効活用できる可能性があります。一般に現地法人などがスポンサーになるケースはStandard Business Sponsor-SBSというタイプのスポンサーなります。スポンサーには、前述のように大変多くの「義務」が発生すること、そしてLMTやスポンサー取得までの多様な要件を満たす必要があることなど複雑です。現地におけるビジネス戦略にもよりますが、プロジェクトベースなどによる海外からの人材を派遣したい場合、また、当面1名のみを派遣して市場により検討していくような場合は、あえて、これらのようなOHLAといわれる既にスポンサー権利をもって いる企業と業務委託契約することで、通常必要なスポンサー義務が発生せず、モニタリングなどもなく 企業リスクを軽減できる効果もあります。このOHLAを保持している企業は主に人材管理会社(イメージとしては人材派遣会社のような役割)や人材紹介会社などが一般的です。これらはオーストラリア国内でも限定されますが、日系企業のニーズがあえば、可能となるスキームで、最大のメリットは少数派遣や 限定的期間の派遣のためにコスト・リスク軽減できる点です。
なお、これらOHLAで認可される職業は個々のスポンサーとなる企業によって異なるため、どんな職種
で派遣予定か、そして、その職業がOHLA対象リストとして合致しているかを確認する必要はあります。

事例 : 日系企業が、業務を遂行するために社員を1年6か月オーストラリアへ派遣したい。

  1. 457 スポンサー人材管理会社が業務委託契約に基づいて日本企業Aへ業務委託料を請求する(社員Aの給与,保険 – PI/PL/WC,State Payroll TAxを含む)
  2. 457 スポンサー人材管理会社が社員Aと雇用契約を結び、雇用主として給与を支給し、PAYG TAX,Payroll TAX,保険 – PI/PL/WC,Superannuation等をオーストラリア労働法律に基づき支払う
  3. 社員Aは日本企業Aの名刺とタイトルを使い、オーストラリア国内で働く

b) Industry Labour Agreement

もう1つのタイプとして特定業界においてCSOLにも該当しない職種だが、業務遂行のためにどうしてもその職務に就くオーストラリア人をみつけることができない場合は、例外としてスキルや年齢、英語力の免除も考慮して、海外から人材を採用するケースがあります。「業界」によってまれな職種が存在する ため、こうした措置を取ることで、人材不足をコントロールしています。
(例:資源業界で不可欠なトラック運転手、建築業界で不可欠な現場の人材など)

Enterprise Migration Agreements - EMA

EMAは特定の大きなプロジェクトを推進するためにプロジェクトオーナーがオーストラリア政府と個別に交渉し、海外からの多数人材確保する労働協約です。EMAはプロジェクトの総資本が20億以上である、1500名以上の労働者が必要となる規模のものに利用可能です。このEMAはあくまでもプロジェクト遂行のための補充的な人員確保という目的で構築されており、これらの条件には厳しい研修要件やその他の要件が課せられていますが、メリットはこの協約には「再委託者(協力会社)」などの人数も含められる事、また、通常は個々の労働者に対しての申請が必要なプロセスも、プロジェクト遂行のための人員計画や大量の労働者確保を一度に申請可能である点です。また、プロジェクト上、必要となる職業で通常は海外から派遣できない職業もプロジェクトで必要と認めれる場合は、海外から派遣することも可能になるという点です。資源ビジネスは国家重要産業であり、これらを円滑に進めるためにEMAを活用すればプロジェクト実施を優先とし、迅速に就労ビザが認可されます。

就労ビザ457 → 永住ビザへ (Employer Nomination Scheme – ENS – subclass 186)

駐在員の利用する就労ビザ(457)にて一定期間就労した場合、永住ビザへの道が可能となります。
企業側にとって、現地法人として「永住者」を採用している実績を提示できるので、長期的なビジネスを運営していく点においてメリットがあります。
一時居住 (Temporary) と永住 (Permanent) の大きな違いは、永住者になるとオーストラリア国籍
保持者とほぼ同等の権利が発生する点です。具体的には社会保障(年金・保険・医療サービスなど)へのアクセス、教育については授業料が現地国籍と同様になり、安価で高水準の教育をうけることができます。そしてもちろんオーストラリアに永住可能ですが「永住者」として居住要件を満たす事も義務となります。